今日は、プログラムについてお話を。。。

当初はこのイベント的コンサートにいろいろなアイデアが出されました。
ドイツで若い人たちに圧倒的に人気のあるバンドとのコラボレーション。
民俗的な和太鼓のステージ等々。

兎に角、Fechner氏の現代音楽でもクラシックでもない音楽をやりたい、
という企画のもと斬新なアイデアが出ていたのですが、
なかなか「これっ!」というのが決まらず…

そんな時、WDRケルン放送管弦楽団との交渉を担当して下さったケルン在住のヴァイオリニスト高橋知月子さんが一時帰国すると言うことで、日本で打ち合わせをすることが出来ました。

新宿の某喫茶店で待ち合わせ、そこにはご主人でもあるチェリストのOliver Wenhold氏も一緒にいらしてました。
いろいろと話が進み、Oliverさんをソリストに叙情的なコンチェルトを初演することが決まりました。
彼は「民舞組曲」の「追分」を大変気に入ってくれて、「ああいう感じで、長さが倍くらいのがいい」と、かなり具体的な話にもなりました。
「『荒城の月』なんかをモチーフにコンチェルトにしてみるのは?」
とか、日本のメロディーをモチーフにすることなどのアイデアも出たのですが、
まずはこれからじっくり考えます、ということで今回の打ち合わせは終了。
そして参考のために「喚起の時」CD&DVDを差し上げたのでした。

それから暫くして、ケルンから連絡がありました。
2日のブログに書いた通り、「絃魂」と「海響」をやろう!
もうバンドはなし! 和田の作品だけでコンサートをしよう!
と無謀な(?!)企画へと突進して行ったのでした。

最初のブログにも書いたように、Fechner氏は「民舞組曲」、
特に「囃子」と「土俗的舞曲」をとても気に入っていて、
「これは絶対プログラムに入れるべき!」
ということで、あとは構成をどうするか…

そこで、折角世界的和太鼓奏者の林英哲さんと英哲風雲の会が参加するのだから、彼らだけのステージも是非!
ということで、英哲さんのソロ「着到」に続いてアンサンブルの「三つ舞」がプログラムされました。

ここで問題なのは、曲順と楽器の配置です。
和太鼓群は、かなりの分量と重さがあるため、そう簡単には出し入れできません。
勿論、オーケストラもコンサートの進行中に全体の配置を替えるわけにはいかないので、和太鼓のソロやアンサンブルの見せ方がとても難しいのです。
最終的には、オーケストラの後方センターに固定スペースを陣取ることになりました。
あとは、ホールの響きとの問題です。

それと、転換の時間稼ぎの意味もあり曲と曲の間にMCを入れることになりました。
通常のクラシックのコンサートでは、曲間にオシャベリはないですよね。
ドイツ語を話せない僕がどうなるのか…
かなり心配な部分でもあります(大汗)

全体は、第1部と第2部にわかれ、
第1部は民俗色のある内容、
第2部は新作初演を含めた、少し現代的な内容となりました。
ただ第1部での「民舞組曲」を全曲やると、コンサート全体の時間が長過ぎるので、「囃子」と「土俗的舞曲」のみとして、その間にMCを挟みながら英哲さんらのコーナーを構成しました。
そして、「着到」と「三つ舞」の間に、
ドイツで大人気のヴァイオリニストTakashi Bernhöft氏にアドリブで参加してもらうことになり、大きく華を添えてくれることでしょう。

約2時間のコンサート。
ドイツの聴衆の反応が楽しみです!