ケルン出発へ秒読み状態に入りました!
今回、林英哲さんらの「鬼神」で和太鼓をふんだんに使用しますが、「民舞組曲」や「絃魂」「海響」もオーケストラの打楽器パートに若干邦楽器が編成されています。

締太鼓、馬子鈴、びんざさら、拍子木等々

今回、これらの楽器を持参するのですが、なんと「びんざさら」は既にオーケストラが持っていました!
いったいどんな曲に使用したんだろう??

管絃楽のための交響的印象 海響」には、締太鼓、鈴、そして木板を使用しています。
木板って?
これは、文字通り木の板を木槌で叩くんです。
いつもは、“まな板”なんかを使っています。
これが結構効果的なんですよ。
ドイツにまな板があるかどうか分からないので、一応持参します。

最近は、この曲の吹奏楽版もコンクールの自由曲に取り上げられることも多く、Gran Cassa(大太鼓)パートを和太鼓で演奏する団体も多く見られます。
「和」の感じを全面に出しているんですね。

この「海響」は、昨年アメリカ初演をし、続いてのヨーロッパ初演です。
千葉県銚子の委嘱で、当地の自然や民謡をモチーフにした作品ですが、銚子から全国へ、そしてアメリカへ、ヨーロッパへと広がって行くのは、作曲家にとってこれほどの歓びはありません。

コンサートの選曲をする際、この曲を演奏しようと言ってくれたFechner氏の脳裏にはどんな“海”が見えたのでしょう。
ドイツ北部のバルト海と銚子の海。
そこに共通点は少ないかもしれませんが、生命の源である海からインスピレーションを受けるのは、西洋人も東洋人も同じなのでしょうね。

ドビュッシーの「海」とは違う日本の海が、ドイツでどう響くか?!


「和田薫の世界 喚起の時」より「海響」