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現代音楽からTV・映画の劇伴や舞台・イベントなどの作曲や編曲etc.

Column 2009年「ケルン旅日記」

ケルン旅日記

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プログラム

以前コラムにも書きましたが、
僕の作曲活動は、「純音楽」と「劇伴音楽」の二つの音楽世界に立脚しています。
詳細はこちらをご覧頂くとして、
今回のケルン公演は、主に「純音楽」の作品でプログラムされています。
公演ページにも掲載されていますが、プログラムは下記の通りです。

【第一部】
1 民舞組曲より「囃子」
2 林英哲ソロ「着到」〜 林英哲&英哲風雲の会「三つ舞」
3 民舞組曲より「土俗的舞曲」
4 津軽三味線とオーケストラのための“絃魂”
  津軽三味線/木乃下真市
【第二部】
5 管弦楽のための交響的印象“海響”
6 チェロとオーケストラのための“祷歌”(世界初演)
  チェロ/オリバー・ヴェンホルト
7 犬夜叉幻想
8 和太鼓とオーケストラのための協奏的断章 “鬼神”(世界初演)
  和太鼓/林英哲、英哲風雲の会(上田秀一郎、田代誠)

2曲の世界初演を含むこのプログラムは、かなり「和田薫の世界」を全面に押し出した構成になりました。

実は、当初お話を頂いた時には、僕の曲は「民舞組曲」と和太鼓との新作だけだと思っていたんですよ。
ところが、打ち合わせを重ねるたびに、どんどん方向が極端な方へ…
そして、最終的にケルン側から提案のあったコンサートタイトルが、

The Echo of Japan - Die Musik von Kaoru Wada -

おお! なんとタイトルに僕の名前が! (大汗)
事務局長のFechner氏の熱い気持ちが、タイトルからひしひしと伝わってきました。

当初からFechner氏のお気に入りの「囃子」と「土俗的舞曲」はあるとして、
「絃魂」と「海響」は、打ち合わせ中に「喚起の時」のCDを聴いてもらった際、
是非これをやろう! という話になりました。
特に津軽三味線の独特の響きに魅了されたようです。

木乃下真市氏(絃魂「喚起の時」より)
木乃下真市氏(絃魂「喚起の時」より)

そして、オーケストラのメンバーであるVc副主席・Oliver Wenhold氏に
日本の叙情的な雰囲気の新作を初演してもらおうという話も上がり、
かなり僕の「純音楽」でのテーマを中心にした構成になりました。

そんなある日、
「和田は犬夜叉の音楽をやっているのか?」
と突然連絡がありました。
「そうだけど…」

ドイツをはじめ、ヨーロッパでも犬夜叉は人気が高いと聞いてはいたのですが、
まさかクラシック畑のプロデューサーからそんな話が出るとは、想像しませんでした。

「実は、わたしの孫が犬夜叉の大ファンで、和田のコンサートをするなら絶対に犬夜叉を演奏して欲しい」
「ついては、オーケストラで演奏できる犬夜叉はあるか?」
と、Fechner氏から連絡があったのでした。

なんと嬉しいことにドイツから犬夜叉のリクエストが!

アルバムのために作曲し、「喚起の時」でも公演した「犬夜叉幻想」をすぐさま提案し、プログラミングされたのでした。

wind -犬夜叉 交響連歌 (エイベックスAVCA-14753)
犬夜叉 交響連歌 (エイベックスAVCA-14753)

これで「純音楽」と「劇伴音楽」の二つの音楽世界が、ドイツでも披露されることになり、まさにタイトル通り「日本の響き 和田薫の世界」となりました。

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